1.壁越しの饗宴

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「く……」 いよいよ達しそうになって、腰が浮く。陰嚢がキュゥと上がって、彼にもそれがわかったんだろう。 上目遣いでこっちをみて、にこ、と笑った。 え、なに……? 俺の根本をキュッと指で締め付けると、急にペニスが解放された。謎の寸止めに、情けなくも「なんで……」と呟いてしまう。 彼は起き上がって、どこからか取り出したコンドームを拙い手つきで、しかし真剣な顔で俺につけた。 金色の髪は長めのショートカットで、顔立ちは意外に素朴だった。純朴そうな顔が興奮に目尻を赤く染めた様子は、やっぱりエロい。 そしてなぜか着ている水色のベビードール。胸から腰下まで覆う半透明のひらひらした生地を、肩からのびる細い紐が支えている。 透ける生地の下をよく見ようと目を凝らした瞬間、彼の顔が近づいてきて唇が重なった。 「え……」 そもそもが情報過多なんだ。キスをされるなんて想像もしていなかった。ぽかんとして目を開けたまま、柔らかい唇が俺の唇をそっとついばんで離れていくのを感じていた。 「あゆ……」 「わっ」 いつの間にか俺の腰の上にまで乗り上がっていた彼が、俺の中心に向かって腰を落とす。 ま、まさか……
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