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─────────── ─────── ─── 24歳になって数日後、4月2日 夕方 4月1日の昨日から本社での勤務となり、そこでもいつものように“男の子”として扱われた。 「「可愛い~!!!」」 会社からも近いお洒落で落ち着いた街の駅、マナリーと望が私のこの姿を見て“可愛い”と褒めてくれる。 「これ、全部私のコーディネート!」 「流石マナリーだね、ソっちゃんの魅力を1番引き出せるのはマナリー。」 「私には愛の力があるから。」 マナリーが今日もそんなことを言って、背伸びをしながら私の髪の毛を少し整えてくれた。 「じゃあ、婚活パーティー楽しんでね!」 この街で仕事の買い出しをしていた望がエコバッグを片手に私とマナリーに手を振った。 「・・・あ、田代君。 田代君も良い出会いがあるといいね。 そのスーツ、新しい?」 「今日の為に買った!」 「土曜日なのにスーツ着てきたんだね。」 「いつもより良い男に見える?」 「うん、いつもよりも結構格好良いよ。」 「・・・だから何なんだよそれ!! “結構”とかつけるなよ!!!」 田代の嘆きに望は楽しそうに笑い、駅の改札口へと歩いていった。 「お~、純も気合い入ってるな。 似合ってる似合ってる、似合ってるのに何故か男前。」 「ソっちゃん、行こうか!」 「俺のことは無視かよ!!!」 マナリーが田代のことを無視して私の腕を組みながら歩き始めた。 これからマナリーが行きたいと言った婚活パーティーに3人で向かう。 「ソっちゃんよりも良い人がいるといいな~。」 「マナリーは可愛いから大丈夫だよ。」 「うん・・・。」 「何で元気ないの?」 「ソっちゃんが男の人から選ばれるのを見るのを妄想するとそれはそれで辛い。」 「この前のホワイトデーの日、髪の毛をカットしてくれた後に“ソっちゃんから卒業する~”って覚悟を決めたのはマナリーだよ? それで私の申し込みまでして、今日の為の服も一緒に買いに行ってくれたのに。」 「うん・・・。 だってこんなの、ソっちゃんにいつまでも悪いもん。 幼馴染みの私がソっちゃんのことをそういう目で見てるから、ソっちゃんがちゃんと女の子になれないんだと思う。 他の人が求める自分になろうとしちゃうんだと思う。 ソっちゃんは凄く優しいから。」 マナリーが私の腕をギュッと強く抱き締めた。 「凄く優しくて・・・凄く酷くもある・・・。」 「それ、昔から言うよね?」 「だって、私のことを拒否してくれないんだもん。 私の想いを拒否はしないから、私はいつまでもソっちゃんのことを好きでいちゃう。」 「マナリーの想いには応えられないけど、私はマナリーのことが好きなんだよね。」 「他の女の子達の中で1番?」 「うん。 マナリーは私のことを女の子として見てくれた初めての人だから。」 「ソっちゃんは可愛いよ? 私が男じゃなくてごめんね?」 「私こそ男として生まれなくてごめんね? 大切なモノを忘れちゃったみたい、お母さんのお腹の中に。」 「あの~・・・俺、営業先から駆け付けてきたんだけど、俺必要?」 「私も営業先から駆け付けてきたよ? マナリーから駆り出されたらうちらに拒否権はないからね。」 「ワガママ女。」 「うるさい、童貞。」 「お前だって処女じゃん。」 「女の子の処女と一緒にされても~。」 「純、童貞のお前からも何か言ってくれよ!!」 「私は女だから処女の方ね。」 「・・・・マジで!!!??」 「バカ。」 昔からやっているようないつもの3人のやり取りをしながら婚活パーティー会場へと歩いた。
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