will you marry me?

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ふたりで車に乗り込み、何かを話さなければと思うが、それがみつからない。 言葉を探しつつ、運転する彼を盗み見る。 車は家に帰る方向とは違う気がして、私は窓の外を見ていた。 数十分走って、都内の小さな教会の前に車が停まった。 「降りて」 促された私は車を降りて、目の前の木のぬくもりのあるその建物を見つめた。 その場所は見覚えがあり、懐かしくなる。 「菜々、ここに来たことあるだろ?」 「はい。大学の時よく……え?」 大学から程近い、この教会は木々に囲まれていて、目立たないが静かで落ち着く場所で私がとても好きな場所だった。
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