元カレ、動く

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元カレ、動く

翌週月曜日、仕事も終わり、自宅で夕飯も終わらせ、ぼんやりと動画を見ていると、スマホが鳴った。 ディスプレイに現れた名前。 『寺嶋 悟』 そのうち、向こうから電話があるような気はしていた。 「もしもし。」 「あ、悟だけど。今、いいかな。」 「うん、少しだけなら。」 「あいつと付き合ってるのか?。」 「だから、関係ないでしょ。 なんの用なの。」 一呼吸おいて、 「会いたいんだよ、会って話さないか。」 「もう無理よ、わかってるでしょ。」 少し沈黙が流れたあと、意を決したように悟が苦しげに吐く。 「おれが悪かった、ごめん。 今も好きなんだ、もう一回チャンスをくれないか。」 「ごめんなさい、もう私の中では終わったの。」 静かに電話を切った。 もう遅い。 大事な言葉は遅すぎた。 もう悲しくはなかった。 確実に私の気持ちは次の恋に向かっている。
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