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◯○二
今日も今日とて平和な日常。ただいつもとちがうのはぺろりんが集会に参加していない事だ。寝坊かな?ひなちゃんが起こしにいってくれたら部屋にはいなかったらしい。ぺろは不思議すぎて理解が難しいところもあるけど、いつも正直で、不器用ながらも真っ直ぐな子だ。そんなぺろが何もいわず姿を消すことなんてあるだろうか?なんだか嫌な予感がする。
「はにゃ?ピンちゃん元気ないの?」
いつの間にかあおにゃんがそばにきてくれていた。
「うん、ちょっとね。ぺろがいないの心配でさ」
「むぅん、確かに心配だよねぇ。この後手があいてる子達誘って探そうか」
その後、リアちゃんが一緒についていってくれることになった。いつも行っているお店や屋敷の周り、手分けして上空からだけじゃなく地上も探してみたけどどこにもいない。結局二人も見つけられず今日は帰ることにした。
そして迎えた朝。日射しが窓を突き抜け私を起こす。魔女集会にはぺろの姿はなかった。そして、ミリンちゃんの姿も。流石にほかの魔女たちも不信感を抱いているようだった。
「ピンさん、ちょっといいですか」
ヒナちゃんが周りに聴こえないようにひそひそと声をかけてきた。集会を2人で抜け出す。
「どうしたの」
「わたし、昨日見たんですよ…!!!ミリンさんがリサさんといるところ!!」
「リサちゃんがミリンちゃんの居場所知ってるってこと?けどリサちゃんそんな素振り全く見せてなかったけど…」
「そこが引っ掛かってるんですよねぇ。リサさんがなんで隠しているのか。わたし達に言えないことがあるのか…」
「ぺろ失踪の関係性もね…」
そしてリサちゃんの秘密を探るべく、ヒナちゃんとリサちゃんの部屋に向かうことにした。
「もしさ、リサちゃんの部屋にとんでもないクリーチャーがいたらどうする?」
「そんな時の為に…ジャン!電撃玉です!!ぶつけるとどんなヤツでも一瞬で行動不能にすることができます!!!」
魔道具作りが得意なヒナちゃんはこういう時に頼りになる。でも、たまにイタズラに使って驚かせたりしてくるのは許してないよ。
「ヒナちゃん大丈夫そう?」
「こっちからは誰もきてないです!!」
物音をたてずに慎重にリサちゃんの部屋の扉に近づいていく。慎重に、ゆっくり、丁寧に、歩みを進めていく。そしてドアノブに手をかけ、音を殺してゆっくりと下げる。
「めめめめめめめめめめめめめめ!!!」
びっくりして口から内臓が全部飛び出そうになる。いや、何個か出たかもしれない。召喚魔法の得意なリサちゃんの使い魔のめめぬこだ!早く逃げないと!
「ヒナちゃん…!」
「なにをしてるの?」
時間が止まった気がした。背筋に悪寒が走る。頭が真っ白になりながら振り返るとリサちゃんとその横に申し訳なさそうに佇むヒナちゃんがいた。
「いや、そのぉ、ごめんなさい…」
そしてリサちゃんにこっぴどく怒られた後、ヒナちゃんを自室に招く。
「すみません、ピンさん…。ちゃんと見張ってたんですけど、リサさんの仕掛けていた魔方陣に気付けなかったです…」
だからめめぬこに気付けなかったのか。しかもトラップ式の魔方陣だ。抜け目ない。
「仕方ないよ。けど、あんなにギミックを仕掛けるってことは知られたくない事を隠しているってことかも」
「なるほどぉ、一理ありますね」
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