(7): ときめき馬車は加速中

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途中で椅子に座るようにうながされて、その座面から骨盤の上くらいの位置までの長さをとりはじめたときは、こんなところも測るんだ……とびっくりした。 「えっ?!」 ふいに離れた位置から、驚きの悲鳴が上がる。 思わず振り向くと、そこにいたのは上林さんだった。 「美沙、ウエストほっそ! どうなってるの? ちゃんと食べてる?」 「えぇ〜? 食べてるよ〜」 お世辞はいいよー、と天使なスマイルを浮かべる上林さんは、こうして見ると本物のモデルさんみたいだった。 予想どおりというか、みんなの期待どおりというか。 7組の女の子からは、やっぱり上林さんが選ばれたんだ。 私だって、選ばれたからには頑張りたいって思う。 衣装を作ってもらうからには、ちょっとでも力になりたいって、思う。 思う、けれど、こうして上林さんと自分を比べてしまうと、しゅるしゅると心が萎んでいくのがわかる。 やっぱり、私じゃない女の子の方がよかったって。 「はい、森下さんはこれで終わり!」 上林さんに気を取られているうちに採寸が終わっていて、内海さんに声をかけられてハッと我に返る。
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