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「じゃー、次は深見くん────……っと、ちょっと待って、なんか電話かかってきた」
バインダーを脇に挟んで、「もしもしー」とスマホを耳にあてた内海さん。
電話の向こうの相手が話す内容は聞こえないけれど、内海さんの表情がみるみるうちに険しくなっていくのがわかる。
「はあっ?! 生地の発注が今日まで……って、そんなの聞いてません! 言い忘れてた? 困るんですけど! ……ちょっと待ってください、はい。はい、え、今から? 今は手が離せな────わかりました、今からそっち行きますから!」
勢いよく電話を切った内海さんは「はー……」と大きくため息をついて、それからぐるんっと私たちの方を振り向いた。
「ごめん!! ちょっとトラブっちゃって、今から顧問のとこ行かなきゃいけなくなっちゃった!」
パチン、と目の前で手を合わせた内海さんは申し訳なさそうな顔をして。
「ほんっと悪いんだけど、残りの……深見くんの分の採寸、終わらせといてくれないかなっ? 測り方はさっき私がやってたみたいな感じで、ふたりで協力して! お願いっ」
言い残して、ぴゅーんと慌ただしく家庭科室を去っていく。
残された深見くんと顔を見合わせた。
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