(7): ときめき馬車は加速中

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「とりあえず……、やってみる? っつっても、杏奈に測ってもらうことになるんだけど」 服飾部の部員たちのようにスムーズにはもちろんできず、いちいち首を傾げながら、深見くんの体にメジャーをあてていく。 背丈、腰丈、袖丈、股下……とまずは、測りやすいところをひと通り終えて。 もたもたしていたせいか、その頃には他クラスのひとたちの採寸は終わっていて、いつの間にか、家庭科室にふたりきりで取り残されてしまっていた。 「えっと、次はバスト……だから、腕上げてもらってもいい?」 「ん」 深見くんの真正面に立って、メジャーを胸を囲うようにぐるりと1周回す。 深見くんの身長が高いせいで、自然とつま先立ちになる。 ていうか、この姿勢って。 「……っ」
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