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「そういう理由なら無視するわ」
「っ、ちょ」
「かわいー手じゃん。なにが気に入らないのかわかんねえ」
指の隙間に、深見くんの指が器用にすべりこんでくる。
関節がごつごつしていて、直線的なつくりの、男の子って感じの指。
繋いだところから、早くなった脈拍がぜんぶ伝わってしまいそうで、どうしよう。
「深見、くん」
１回、落ち着いて深呼吸がしたい。
すがるように名前を呼ぶと、深見くんはちょっと目を細めて、それから。
「深見くんじゃなくて、恭介」
「……へっ？」
「俺の名前」
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