遭難

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遭難

目覚めたのは大きな杉の木の根元だった。とにかく体じゅうが痛かった。ところどころ出血し、そして鼻も利かなくなっていた。それは耐えがたい匂いのせいでもあった。そうしてそれはおおよそ330フィート(約100メートル)先にバラバラになってる、ぼくらが乗って来た飛行機からだとすぐわかった。 ぼくはいいしれぬ恐怖と焦燥感にとらわれた。とにかく一刻もはやくロバートを見つけて、ぼくをこの恐ろしいところから救い出してほしかった。ぼくは歩くたび足や胸に大きな痛みを感じながら、その残骸のところに行った。 ロバートの匂いは?ロバートはどこ? かすかにロバートとぼくの匂いのする空っぽのスーツケースがあったが、ロバートはどこにもいなかった。あれ?そこに…。 え?お肉?お肉が落ちているよ… よく見るとそれは人間の腕…肘までしかない人間の腕が落ちていた。そうしてぼくはさらに恐ろしくなった。ぼく以外はみんな、この飛行機のようにバラバラになったとわかった。 逃げなくちゃ。とにかくここから逃げなくちゃ! ぼくは痛みも忘れて駆けだしていた。目の前には大きな山と、暗い森があった。
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