短編

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 お互い体を十分に洗い、風呂を出た。  いつもならゆっくり湯船に浸かっているんだが、今日はお湯張っていないからシャワーだけになったのは口惜しい。  でもよく考えたら、二人なんだから風呂も何もないか。  その後、いつの間にかタオルで互いの体の水気を拭き取り、下着とバスタオルだけの姿で部屋に戻った。  しかし、まだ頭がはっきりしないな。  おっかしいなあ、どうしてだ? 「体も温まった事だし、体も落ち着きを求めている頃だと思うんだ。ベッドの上でゆっくりしよう」  そう言われ、俺たち二人はベッドへと腰かける。  しかし、ここまで気遣いが出来るなんて流石はホストってか?  なんだがいい人そうだし、店に行くことはもう無くても、どこかで会ったら飯の一回ぐらいは奢ってもいいかもな。 「しかし、こうしているのは彼女さんに悪いかな。こんな所を見られたら誤解されてしまうね」 「彼女? いやそんなの居た事もないスけど」 「そうなのかい? 意外だな、こんなに素敵な男の子なのに。きっと周りの見る目があまり良くなかったのだろうね。そうだ、そうに違いないよ。うん」
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