短編

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「えっ!?」  俺は目の前に広がる光景に思わず目を疑った。  ここはホストクラブ『K』。  そこに勤めるイケメンホストは、女遊びに慣れたベテラン勢ぞろい。  だが、ここを利用できる客は限られている。  なんせ女性禁制の男性客専用のホストクラブだったのだ。  それに気づかず、俺はその店に迷い込んでしまった。 「いらっしゃいませー! お一人様ですか?」 「えっと……はい」 「はいでは、一名様ご案内となりまーす!」 「あ、ど、どうも……」 「こちらへお座りくださいませ」 「はい」 「お好みの男の子をお選び下さいませ」  そう言って指差された先には、十数人のイケメンホストの写真が貼られたパネルがあった。  写真の下には名前らしきものが書かれている。  どうすりゃいいんだよこれ!? 俺は頭を抱えた。  俺は佐藤隆真23歳。彼女なし=年齢だ。  実家を出て1人で暮らしている。  親からはたまには家に帰ってこいとうるさいが帰るわけねぇだろうよ。  俺の実家は群馬県の田舎の方にあるんだよ。
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