第3話

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 というわけで、舞踏会の中央を開けてお互いに向き合う私とイケメン従者さん。  彼の後ろでは、ルーゼルスお嬢様がドヤ顔で仁王立ちしていた。 「さて、お待たせいたしましたロモラッド嬢。お覚悟の程よろしいですかな?」 「ええ勿論。私もマンドリン奏者の端くれ、いっちょやったりますぜ!」 「……どのような楽器の使い手であろうと、この場合は関係無いのでは?」  確かにそうとも言うけど。  それはさておき、私たちはお互いに腰につけていたスモールソードを取り出す。  貴族の決闘と言ったら昔から剣と決まっている。スモールソードはそんな需要の中生まれた貴族のたしなみだ。今や老いも若きも男も女も、貴族ならばスモールソード。もはやスモールソードでなければ人間では無いと言わんばかりの勢いなのだ。  剣をお互いに向けて突き出す。 「では行きますよ。合図はこのコインが落ちたらということで」 「どうぞ」  ごく短いやり取りを追え私は手に持っていたコインを空中に投げる。  緊張感の走る中、ほんの数秒が長く感じるが……やがてコインが床にチリン。
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