第5話

2/4
前へ
/51ページ
次へ
「着きましたわ。ここは当家が所有するゲストハウスの一つですの」 「はえ~、おっきい……」  馬車に揺られて四十分くらいかなぁ。  喧騒の街を抜けて、静かな森のそばにある大きな屋敷へとやってきたぜ。 「さ、中に入りましょうか」 「はぁ……めんどくさいなあ」 「……せめて口に出すのはおやめなさい」  玄関の扉を開けると、そこにはメイドの人たちがズラリと勢揃いしていた。 「お待ちしておりました、ルーゼンスお嬢様。そちらが今回のパーティーに参加して下さるご学友の方でしょうか?」 「学友、という表現にいささか引っかかりを覚えないでもありませんが、ロモラッドさんです。さ、ロモラッドさん? ご挨拶をなさいな」  一番偉そうなメイドさんと話していたお嬢様は、この私に挨拶をしろとおっしゃってきた。  挨拶、ね。まあ挨拶程度堅苦しいもんでも無いでしょ。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加