キスマーク

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今日やった失敗を指折り数えていたら、またはぁーっと課長がため息をついた。 「……もー、いい」 がっくりと彼のあたまが落ちる。 「お前のそういう失敗、いちいち注意していたらそれだけで一日終わる……」 酷い言われようだとは思うが、それくらい多いのだから仕方ない。 「すみません」 けれど、呼び出されたのがこれらの失敗じゃないということは、いったいなんなんだろう? 「それでな。 ……見えてるんだ、ここ」 ちょんちょん、と課長が自分の首筋をつつく。 しかしボートネックカットソーにカーディガンなんてスタイルの、私の首が見えているのは当たり前なわけで。 「だからー、……キスマークが」 途端にボッ!と顔が火を噴く。 そんなことを男性から、しかも課長に報告されていたなんて。 「あの、その、えっと、あの」 朝眠くて、ろくに鏡をチェックしなかった自分を後悔した。 こんなものを晒して仕事をしていたなんて、恥ずかしすぎる。 いったい、何人の人が気付いたんだろう。 早く指摘してくれればいいのに! 「そういうのはちゃんと確かめて隠してこい」
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