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カーテンの隙間から差し入る光に、うっすらと目を開けた。
彼に腕枕でしっかりホールドされた状態で、わたしは朝を迎えた。
同じく目を覚ました様子の純二さんが、わたしの頬に優しくキスをした。
彼からの愛をこの上なく感じる。
安定した、そこそこ上質で平和な暮らし。優しくて愛してくれる夫。
わたしは、誰から見ても幸せだ。
このままでいい。
こういう日常を、これからもずっと繰り返していく。
だけど心のどこかで、一度でいいから、誰かにどうしようもなく身を焦がすような恋をしてみたいと願ってしまう。
最後の悪あがき。
だからまだ、子供はつくれない……。
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