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自分でもびっくりするくらい、あっという間の2時間だった。
「おぉ〜」
鏡の中の自分をみて、ついうっとりしてしまうり
彼の手さばきはアシスタントは思えないほど、なかなかの腕前で、正直杉本さんよりも良いかもしれないと思ってしまった。
わたしはここ数年、ずっと同じ髪型だった。
アッシュ系の茶色で、セミロング。前髪はウェーブに流すという、よくいる量産型タイプな感じ。
しかし今日は、盛岡くんにすすめられて少し冒険してしまったのだ。
いつもよりほんのちょっと、明るめの髪色。
ハイライトをところどころ入れて、金色の部分もつくった。
前髪を切ってもらって、なんとなく若くなった気がする。
「いいっすね〜!」
わたしの背後に手鏡を持ち、鏡越しに後ろ髪見せてくれたながら、彼が高いテンションで言う。
「……うん。なんていうか、華やか……になった気がします」
少し髪型を変えただけなのに、本当に違う自分になったみたいだ。
こっちの方が、良い。
「こっちの方が、絶対良いですよ!めちゃくちゃ似合ってます!……ってなんかすいません、俺の好み押し付けちゃったみたいで。でも本当に似合うと思ったから。想像以上に似合っててびっくりだけど」
あぁ。お世辞だとわかっていても、顔がほころんでしまう。
“俺の好み” か。
なんか嬉しいな。
「わぁっ!りらちゃん、可愛いっ!」
後ろを通りかかった杉山さんが、わたしを見て驚いた顔をして言った。
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