1. 夫とわたし

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洗濯をして、二人で住むには広すぎる3LDK80畳を掃除する。 トーストを焼いてコーヒーをゆっくり飲みながら、録画していたドラマを観る。 夕方になったら晩ご飯の買い出しに出かける。 わたしの仕事といえば、そのくらいだ。 夫は家事に口出ししないし、細かいことも言わないからとてもありがたい。 今日は高校時代の友人、由美(ゆみ)とランチに行く予定。会うのは半年ぶりくらいだ。 それまで、この部屋でゆっくりだらだらと過ごす。 とくに贅沢をしたりはしないけど、こういう日常があるのは全て夫のおかげだ。 わたしは夫に感謝している。 化粧をして、髪を巻いて、お気に入りのワンピースを着た。最後に香水をシュッと振りかける。 昼前に家を出て、電車に乗って由美と待ち合わせしているカフェへ向かった。 友達と会うのって、やっぱりわくわくする。 結婚してから仕事をやめたので、夫以外の人間と喋ることがほとんどなくなり、退屈といえば退屈だった。 観葉植物がたくさん置かれている、最近できたというお洒落なカフェの店内で由美を待った。 5分ほど経つと、彼女が店に現れた。わたしを見つけて手を振りながら、ぱたぱたとやってきた。 今日もいつもと変わらない、可愛い満面の笑みを浮かべている。 ただいつもと違うのは、もうすっかり大きくなった彼女のお腹。
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