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そのあとは他愛のない昔話や、同級生達の噂話とかで盛り上がり、15時には解散した。
お互い独身の頃のように、夜までたっぷり遊ぶということはもうない。
帰りに寄ったスーパーで食材を買いながら、なんだかぼーっとしてしまった。
久しぶりに会った友人の幸せそうな姿をみて、あらためて自分のおかしさが身に染みる。
ーーわたしは、異常だ。
恋をすることができない、病気だ。
だけど今さらそんなことを悩んでも仕方がない。
今までも上手くやってきたし、そしてこれからも……
夫の喜ぶ顔を思い浮かべながら、今日はハンバーグにしようと決めた。
ちょっと良いワインも買ってあげようか。
彼のために何かをしてあげたいと思うこの気持ちに、嘘はない。
これを“愛”と呼んでも間違ってはいないだろう。
そもそも、いちいち間違いだと指摘してくる者などいない。
わたしの気持ちは、わたしにしかわらかないのだから。
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