1. 夫とわたし

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「美味いっ!」 案の定、純二さんはとびっきりの笑顔を浮かべて喜んでくれた。 大きめのテーブルに、二人で向かい合って座る。 いつか自分達の子供ができたときもつかえるように、とこのテーブルを買うときに彼は言っていた。 そしてまだその気配はない。 「りらのこんな美味い料理を毎日食べられるなんて、本当に俺は幸せ者だよ」 もうすぐ結婚して二年が経つというのに、夫はそんな恥ずかしい台詞でもさらっと言ってくれる。 「ふふっ、わたしも幸せ」 わたしも平気な顔をしてそう答えられる。 だってわたしも、本当に幸せだから……。 食事しながら、純二さんは今日一日の話をしてくれる。 仕事の話や、ランチは何を食べたかとか、通勤途中の細かい出来事まで。 わたしはそれを微笑みながら「うんうん」と聞いてあげる。 ときには驚いたり笑ったりしながら。 誰が見ても、幸せな結婚生活だ。 だけど夜、ベッドの中の純二さんのことは、少し嫌いだ。
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