第一夜「混乱」

11/11
前へ
/384ページ
次へ
意味深そうな、見なくても分かる、そんな何かを成就した時のような笑みを浮かべているのだろう。 「(──汝は一度、死んでいる──)」 ……死? 「うわあぁ!」 彼の頭にあの光景がフラッシュバックする。 信号。青色。トラック。クラクション。悲鳴。衝撃。激痛。死。 あれは、何だったのだろうか? ただ、背筋の凍る、恐怖。 「サミ……ジーナ……?」 ついには、レナとグーシオンの二人がかりでの結界も、間に合わなかった。 嵐のように流れていた力が、沈黙する。 「「え?」」 ──刹那、辺りは閃光に抱擁され、轟音によって支配された。        †
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2275人が本棚に入れています
本棚に追加