人間

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

人間

 雪宮透 私という人間の話をするのは、改めて初めてのことであり。感じ方は人それぞれだと思う。 最初に紹介をすると、私の家族は八人いる 父・母・祖父・祖母・長女である私・長男の弟 次女・三男・末っ子の妹の家族構成である。 八人家族というのもあり、一月のお正月は 盛り上がりをみせていた。 「お雑煮の良い匂いがする」と次女が足早に台所へと向かい。お正月の朝はいつもの朝と違い 特別感に満ち溢れている。 母や祖母に続いて、茶の間に料理を運んで 家族みんなで料理を食べ始めながら、今年は 勉強を頑張ろう、とか仕事を頑張っていこうとか 話しながら…おせちを摘んだり、雑煮を食べたりして楽しんでいた。 勿論、孫である私達はお年玉も楽しみなのもありソワソワしながら待ち望んでいた。 そんな、側から見たら仲のいい家族に見れるでしょう。 ですが…実際はそんな事はないのです。 側から見たら幸せで、仲良く見れる家族の中は 泥沼のように腐っているのです。 私自身、良い学生生活ではありませんでした。 其れは、小学三年生頃突如としてクラスに訪れました。 そう。其れは嫌がらせです。 頭が悪いから・顔が気に食わないから・太っているからという、取ってつけたような理由です。 一人に集中攻撃をするように、無視をする。 陰口を言う、体育の時間は先生とペアを組むといった事が当たり前になっていました。 ただ、まだこれなら私は耐える事は出来ました。 ですが…学年が上がるごとに嫌がらせはエスカレートをし。 バイ菌扱いをされたり、物がなくなる壊されているといった事が起こる様になり。 流石に、担任に相談をしたのですが…解決はせず。 そんな状態なら友人はいなかったのでしょう、と 思いになられるかと思いますが。 私にも初めの頃は友人はいたのです。 其れも、最初の嫌がらせは私にではなく別の子でした。 其れを見て見ぬふりができず。声を掛けたり出来る限りその子が、一人にならない様にしていました。 ですが、其れを見ていたリーダー格の子は気に食わなかったのか、「次は、彼奴にしようよ」というたった一言をきっかけに。その後直ぐに、嫌がらせを受けていた子が引っ越したのを気に。 私へと標的を変え嫌がらせが始まりました。 そうして、友人達と楽しく過ごしていた学生生活は幕を閉じ周りの目を気にしたり、周りが自分の事を言ってないかと怯えながら過ごす毎日でした。 親に相談しようにも、その頃から家は滅茶苦茶で 家系の金銭問題や両親の喧嘩、弟の問題行動に とても、言える状態ではありませんでした。 父は汗水流して家族のために、一生懸命働いて 家族思いの優しい自慢の父なのですが。 母は、良いところもあるのですが。家計が苦しいと父に八つ当たりをし、自身は働くのが嫌なのか 苛々する事が度々あり。父の給料が入れば散財を平気でする人で、その頃はまだ私・弟・妹と言った三人姉弟で。 母の件で大変な中、弟は問題児で母や父の財布からお金を抜き取ったり、自転車で他の人の車にぶつかってしまったり、夜遅くまで遊び父が探しに行くと言った、弟の素行は最低なものでした。 一度、父が本当に弟を警察に連れていこうとした事があります。ですが、父・母・弟で話し合い 弟はまともになるからと、約束をし連れていくのを辞めたそうです。 私は其れを聞いて「人間なんてそんな簡単に変われないよ」と一度父に話した事があります。 其れから二人妹・弟が増えて益々家計が厳しくなり、私のイジメを機に祖母の居る家に引っ越す事になりました。 自身、ホッとしながらも今までが上手くいって無いのだから上手くいくはずないと内心思っていました。 引っ越した時、私は中学三年生でほぼ卒業間近と言うのもあり思い出を作ろうっと言うよりかは 高校受験に向けて、頑張る生活を送りました。 そして、無事公立の高校に合格しました。 改めて春から始まる新生活に胸を躍らせながら、 新しい制服に身を包みワクワクしていました。 そうして、始まった学生生活は楽しい物でした。 選んだ学科は、女子が少なく初めの頃は女子全員が仲良くしていたのですが、いつの間にか四人と二人に別れてしまいましたが、男子とも仲良くなり唯一の女の子友達とはアニメで盛り上がって、 楽しく過ごす事ができました。 其れからはや二年が経ち、晴れて私は卒業をし 社会人になりました。 私自身は、イラストの専門学校へ通いたい気持ちはあったのですが、当時父や祖父に家系の金銭問題がのしかかっているのを分かっていたので、 就職をする道を選びました。 妹弟の修学旅行積立費用、学生服、教科書費 揃えられるように毎日奮闘していました。 引っ越してから、祖父・祖母には沢山迷惑かけてきたので家賃も入れられるように自身の給料と やりくりしながら入れていました。 ですが、何処の会社にも居そうなお局さんが 私のことが気に食わなかったのか陰口を叩かれたり、根も葉もない噂話をされたりと。 いつもなら気にもしないのですが、体と心が当時余裕がなく疲れ果ててしまい、会社に行こうとすると足が震えて吐き気がし。 退職をいたしました… 情けない話ですが、あの時の私にはもう会社に行く余裕はなく消えたいと思っていました。 それから、少しだけ家で休暇を取り妹が働いていたスーパーを紹介されて働き始めました。 妹の紹介もあり、人間関係は良くも悪くもなく フルタイムで働けるまでに回復をしました。 元々、バリバリ働いていたのが当たり前で癖付いていて働くのは好きなので嫌ではなく、 早く仕事を覚えられるように奮闘する毎日がはじましました。 あれから四年が経ち ここ迄、読んでくださった方々はこれで、 大体は安定してきただろうと思いでしょうが。 そんな日は長くは続かなかったのです。 やはり、「性根が腐った人間はまともになるのは難しいだろう」と思う事が起きるのです。 其れは、長男と三男。高校を卒業したというのに 定職にも就かずに、三男は子供関連の仕事したいというので、態々祖母が知り合いに声を掛けて 働ける様にしてくれたというのに、合わないというだけで、直ぐに辞めて。 しかも、モデルになりたいといい。家計を支えてる、父や私には何も言わずに。 事務所と勝手に契約をし、紙にしっかりと目を通すこともなく勝手な自己判断で決めてしまいました。 そうして、弟から告げられたのは契約した後 私や父や妹は自分で責任が取れるなら、良いよっと伝えていたのですが。 やはり、自己勝手な弟は続けていけないと言い出し、解約するには三十万が必要となりました。 弟は貯金がないので結果的に、私や父が払わないといけなくなりました。 必ず直ぐに就職をし、月々返すという約束で出しました。 ですが、一向に仕事をせずに家でダラダラとし やたらと自分の容姿ばかりきにする。 お金を頼む際は、泣いて縋る癖をし借りて問題が解決したら満足して終わる。 私は、仕事で疲れながら毎日父には悪いと思いながらも泣きながら弟の、愚痴をこぼしていました。 弟はというと、金を借りてるとは思えない態度 暴言・上から目線・自己中心的 そんな時、私は今まで何の為に頑張って来たのか分からなくなりました。 恩返しをして欲しくて、今までしていたわけではないですが、流石に頭がパンッとなりました。 私自身、幸せだった日々はあったのだろうかと 思い返しながら過ごす日々です。 弟は可哀想な人間なんだと思う様にしています。 心や時間に余裕が無ければ、無くなるほど すり減っていきます。 私がそうである様に… 意見や感じ方は人それぞれであるから 面白く・悲しく・憎しみ・怒り・愛し 様々な感情が溢れているのでしょう。 相手を思い合えるのは何より大切なのがよくわかります。 自分で世界が回ってるのでは無く、ちっぽけな 私の背中を支え前へ押してくれる人が居るから 今も、立っていられるし前に進めます。 なの知れない私が大それた事は言えませんが、 下ばかり向いていた頃に、ふと空を見上げたら 青空で…。 普通の空が凄く綺麗で、儚くて。 綺麗だったのはずっと忘れないと思います。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!