天使の羽根

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人混みを歩くことが苦手だった。 1人で出かけることは好きだったが、ただ、1人になりたかった。 外へ出れば、人はいる。 友人や、勿論、親友はいる。が、パーソナルスペース、パーソナルエリア、対人距離が、極端に広いのだ。 ファーストインプレションは、なにはともあれ、、大事。 今は、オジサン用語と言われているらしいが、「1丁目1番地」なのです。 ビジネス用語🟰オジサン用語ということなのか? まっ、気にしない、気にしない、、、。 ファーストインプレッション、、、最初に飛び込んでくる印象だ。 その印象は、直感が冴えている時のモノだと永遠に続いて行くように感じる。 安易な思い込みだと、レーンから時間と共に、ずれ始める。 これまでに、大きく舵をきったことは、幾度かある。 相当、凹んだが、そんな経験がないと振り幅が狭くなるし、教訓にならない。 安易な思い込みとは、潜在意識では避けていながら、現実には避けようがないときに受ける印象だ。 時間がかなり経ってから、思いもしない現実が、良くも悪くもやってくる。 歩いていると、時々、周りを俯瞰して人を見ていることがある。 すれ違う人の、心の声が聞こえるから。勝手に聞こえてくる。 そんな時、息苦しくなると、気持ちだけが急にフワ〜っと、高く飛び始める。 すれ違う人の波に呑まれぬように必死に。 すれ違う人々が、殆ど、翼が折れた悪魔ばかりに見えたこともあった。こわい。 それならば、外出せずに家にいればよいと思うが、、、。 怖いもの見たさというか、どこかでメンタルを鍛えたがっているのかもしれないと思う。 怖がりのわりに、ホラー映画を観ながら、手で顔を覆って、チラッとたまに見る。それに近い。 稀だが、すれ違いざまに、「あっ、今の人?」と振り向くと、キレイな羽根が背中にある。見事なまでに美しい。 「あの人は、間違えなく天使なんだ」 と、確信する。 そんな天使とすれ違うことを、、会えるかもしれないと、どこか期待しながら、天使をもっと見てみたい。 天使がもっといてほしい気持ちが強かった。 この地球に生まれて、自ら作った人生のシナリオがあるのだと信じているが、厳しいシナリオにしたモノだと、頭を抱えたこともある。 天使に会えるのは、歩いている時だけではない。 決まって人生のターニングポイントに差し掛かる時だとわかった。 そして、次々に美しい羽根を持つ天使に会うまでの道のりは、、、長かった。
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