天使の羽根

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私は、自分の弱さを隠して生きてきた。今更だが、、、。 決してハッタリをかまして生きてきたとは思わない。恥ずかしいとも思ったことはないが、弱さに漬け込まれたくないと思った。 「勇気や、気合いみたいなもの、強気で物事に挑む、前向きでいる、私は、大丈夫だ」と思える引き出しを持っていなかった。 だから、必要以上に前に出ない。転校生経験が多っかたこともあり、目立つことが嫌いだった。 自分の思いや、意思がないわけではない。でも、誰かを支えたり、縁の下の力持ちみたいな役目を望んだ。見えないところで活躍していたい。 誰だか知られなくて大いに結構だった。たくさんの出逢いや、体感を積み重ねて、私なりに、成長したんだと自信も生まれていた。 あれだけ避けていた父とも、いつの頃からか、話をすることが増え、自分の父がどんな人だったかが、身にしみて解った。 これまでを取り返すように、会える時は、たくさん話をした。聞きたいことは、多分、全部、聞いたと自負している。 伝えたかったこと、知っていて欲しかった思いや、考えを、思いの丈をぶつけた。きちんと、向き合ってくれて、思いを聞いてくれた。 自分が、弱いと思っていた事に、真正面から向き合って、自身で認められた時、初めて、父から言われた言葉に、唖然とした事があった。 「今頃そんな事、、、言われても、、、」 と、拍子抜けした。 「陽子ちゃんは、家族のなかで、きっと、1番強い人間だと、思ってる。」、、、、「えっ?、、、もう1回言ってくれる⁉︎」 耳を疑うことなんて、これまであっただろうか?と自問自答していた。余談だが、両親からは、チャン付けで呼ばれていた。 呼び捨ての時は、父から説教される時だった。 「私が、強い?」何かの間違えだと思った。「私が?」と何度も聞き返した。目が点になっていただろう。 「そんなに、驚くことか?」と、逆に聞かれたが、「イヤイヤイヤ、、、何をおしゃってるのかわかりませんけど?」と、流石に、そこまでは、 言えなかった。父は、何度も、「1番、優しい、1番、強い、1番、話が楽しい!」と、、、言ってくれた。 「あれ? 褒められたんだ、あっ、褒めてくれたんだ!」 今、これを書きながら、思い返すと、言われたその時は、褒めてくれたんだと言う認識がなかった。 遅いよ!私、、、。正直、今、とても、動揺している。泣きそうだ、、、。 今は、もう電話しても、「はい、〇〇です。」とは出てくれない。独り言のように、天を仰いで心の中で話すしかないが、きっと、 今、隣で苦笑いをしながら、「しょうが無いな」と言いながら黙って、見つめているんだろうな、、、と。思っただけで、号泣している私だ、、、。 弱虫、泣き虫だが、近年は、容易く泣かなくなった。そして、泣ける時は、泣くが、父のことを思って泣く時は、 父の代わりに泣いているんだと思うようになった。なぜ、父が泣く?、、、。 それは、人一倍、寂しがりで、家族が大好きで、何があっても、復活する男だったが、父は、もういない、、、。
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