始まりの丘

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始まりの丘

俺は感じたことがない不思議な感覚に身体を震わせた。 眠っていたはずの頭がハッキリとしてきて、これ以上は寝ていられない、と俺はベットから体を起こした。 なんだ、この感じ....。 時計を見ると、針は午後11時を指していた。 思いっ切り真夜中だ。 俺は部屋の窓を開けて、夜の空気を吸った。 辺りは静まり返っていて、夜独特の湿った風が俺の顔や髪をなでていった。 目を凝らしてじっと遠くを見つめる。 すると遠くの丘に光が見えた。 淡く美しい青い光。 その瞬間、空がぱっと明るく輝いた。 「雷か?」 素早く目をつぶり、耳を押えて枕に顔を押し付けた。 しかしあの耳を裂くような鋭い音は聞こえなかった。 それから5秒くらい経っただろうか。 俺は恐る恐るまた暗い静かな世界にそっと視線を戻した。 すると信じられないことが起こった。 遠くの丘に集まるように次々と落ちてきたのは....。 俺が確かに見たのは....たくさんの青い流星だった。
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