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だからセキの予知する『悪霊の攻撃の警告』なんてモノは無意味だ。
結局は俺が助かり、結局は誰かが犠牲になるのだから。
それをわかっていてもセキは警告してくる。
きっと、そういう役目なのだろう。
俺が何度も嫌がっても、怒っても、してくるのだから。
「で?お次はなんだ?」
俺としては珍しくセキへと聞いた。
賑やかな繁華街の店と店との間の狭い道を入った先に目的地がある。
店主ひとりで経営しているお好み焼き屋で、自身で焼くタイプだ。
「なんだここ?ミカゲ、おまえコレが食いたくて外出したのか?
鉄板とか硬いヘラとか、殺しのオンパレードじゃないか」
からかうわけでもなく、真剣でもなく、セキはいつでも無機質だ。
「なんだか食いたくなった。焼いてみたくなった。というのもある」
それで俺はネット検索して近場で調べてみたのだ。
そして、ここに来るまでに死人は1人、ある意味では少ないほうだと
言えるが、なら店に入って焼いて食うまではどうだろう?というのを
確かめたくなった。
「食えるには食える」
セキが返答した。
ならそれで充分だと、俺は店に入った。
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