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「なぁにが言えないって?」
「うわっ!ば、絆理、起きてたのかっ。」
「今起きたとこ。嬉しすぎて待ちきれなくて撃沈ってかなり恥ずかしいけど。」
「そ、そか。」
モゾリと身体を起こした絆理は、俺の腰に手を回して引き寄せるとそのままの態勢で俺を見上げた。
「で、一生は?どっちから言いたい?」
「どっち?」
「そ。書類書いてから聞くって言ってた質問と、今言ってた俺にぜったいに言えないこと。どっち?」
臍辺りにある絆理の顔が明らかにワザと俺の身体に向けて息を吹きかける。
温かい感触がじんわりと広がっていく。それだけならただの絆理のお遊びだと思えたのに、絆理は少しずつ顔を降ろしながら俺の股間へと顔を近づける。じんわりと温かい人肌を衣服越しとは言え感じてしまった俺のソコはほんの少し硬度を増していった。
「ど、どっちって…。え、えと。ま、まて…。」
「俺としては、書類に書かれた一生の名前を見て感激しちゃってから一生の全部もらいたいから、そっちは後がいいかなぁ。ああ、でも絶対言えない事だろ。それ、俺には秘密って事だよな。そんな秘密、お仕置き案件にならないかなぁ。それならそっちが後の方がいいのか、な?」
そんな所で喋らないで欲しい。絆理が口を開くたびに俺の緩く立ち上がってきた陰茎に唇が当たるのだ。生温かい息がかかって腰の奥に甘やかな痛みが走る。
「俺には全く想像できないんだけど。俺に言えない事って何なんだろうね。昔の事?それとも今現在の事?」
絆理の目がどんどん細く剣呑な目つきに変わる。
口調も内容もいつになく暗く不穏なものになって、纏う雰囲気も変わっていく。
「ああ、何か想像したら腹が立つ。一生が俺に隠し事してるなんて我慢できない。やっぱり早く正式なパートナ―にならなきゃ。俺から離れられないように。俺だけしか見えないようにしないと。」
「ひゃぁ。」
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