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前編
「いっせいっ、いっせいっ…好きだっ。好きだっ。」
俺を組み敷き愛おしそうに見つめながら俺の上で腰を振る男を見つめる。
既に何度か達してしまった俺の腹の上には白い粘液が広がり、男が撫でまわすように手を這わせるたびにぬちゃぬちゃと音を立てる。その即物的で卑猥な音が俺を頭の中から狂わせる。
薄暗い灯りの中でも男の端正な美貌は隠しきれていない。
艶やかな黒髪に鼻筋の通った鼻梁。シャープな顎のラインが男らしさに色気を添える。
普段はあまり表情を動かさない唇は今は荒い息遣いと共に自然に開いている。
「あっあっ…んんぅっ…き、もちっ…いっ。」
「いっせいっ……すげっ…俺っのっ、ぎゅうぎゅうって…。」
「言うなぁ…ば、ばかっ…。」
突き入れ、攻め入られる度に俺の身体の奥がきゅうっと男を締め付ける。俺の身体は何度目かの絶頂に、もはや力を失ったようにただ相手の動きに合わせて揺さぶられるだけで。力なくダラリと落ちた腕が微かにシーツを握る。
「いっ…せっ……。い…イイッ…か?」
「あっ、い、いいっ。ば、ばんっ…‥りぃ……。」
俺の言葉に嬉しそうに笑った男は口元で「可愛い…。」と小さく呟くと、俺の腰骨を強く引いて自身の硬い切っ先を強く押し込んだ。
「あああっ、あっ、あっ、あああっ!」
その瞬間、俺の泣き所は擦られ、抉られ、その衝撃で一気に快感の波が弾けた。目の前がスパークして、足の指先はピンと張り詰め、俺の欲望から何度目かの白濁が零れる。
トロトロと力なく流れるソレを霞のかかったような瞳で見つめていると、俺の頭上では男が低く呻いて俺の中に欲望を吐き出した。俺とは違う熱く勢いの良い精液は俺の身体の中全体に染み込むように広がっていく。
ビクビクと細かく身体を震わせる俺にドサリと落ちて身体を預けてきた男はそのまま俺をしっかりと抱きしめた。
「はぁ…はぁ…いっせい…好きだ…。」
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