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3話:学童での恐怖の鬼ごっこ
「はい!5時間目終わりねー!さようなら!」
「「さようならー!」」
私は5時間目が終わってすぐに、しおりを連れて2組へ行く。
「なつー?そろそろ学童行こー?」
「あーごめん!先行ってて!」
学童に一緒に行かなかったのはこの日が初めてだった。
夏が行かなかった理由...他の子と喋ってたから。
「なつ、あとから来るかなー。ね、しおり」
「まぁそのうちくるでしょ。多分だけどw」
そうやって喋りながら学童へ向かう。
ガラガラガラガラッ
「あら、おかえり!るりちゃんとしおりちゃん...あれなつちゃんは?」
「他の子と喋ってる。多分あとちょっとで来るよ!」
「あーそっか。もう他の子来てるから一緒に遊んできたら?」
そう言われて周りを見渡すと。
1年の男子と女子の七人くらいが遊んでた。
「あれ、皆居る。何してるのー?いれて!」
「るり帰ってきてたの!一緒に遊ぼー!」
「外行かね?中ずっと居ても暇だし。」
そとに行って皆で鬼ごっこしよう!ってなって。
男子の光が鬼って決まった時は多分皆こう思った。
"今日はどの女子が捕まるんだろ...。"
「お?俺が鬼か...じゃあ俺の好きな子追いかけよー!」
「それ毎回だって!光が鬼の時、俺らめっちゃ暇じゃん...何する?」
光が鬼になった時は、女子が逃げ回り、男子は暇そうに鉄棒で遊んでる。
いつもどおりの鬼ごっこだった。
「じゃあ...よーい!スタート!女子頑張って逃げろよーw」
「どーしよっかな〜るりから?追いかけるか!」
「え!?何でぇぇぇぇぇぇ!」
私が1番最初に追いかけられて、ビックリした。
だって、他の男子から聞いたんだもん。
"光が鬼ごっこの時に追いかける順は好きな子ランキングらしい"
もうほんと最悪!
でも、昔から惚れっぽいから、実は1番に追いかけられた時ちょっと嬉しかった。
だって普段モテないんだもん!
「皆ー!遅れてごめーん!!」
「なつ!?帰ってきたの!助けてぇ〜(泣)」
「光、またるりの事追ってたの?可哀想だからやめてあげて!」
守ってくれるんだ!この時も嬉しかった。
光から守ってくれる。(⬅恐怖の鬼ごっこから守ってくれる)
「そんなにるりの事かばうんだったらなつを追いかけたら良いってこと?」
「それは違うでしょ!なつ追いかけるんだったら、るりにして!」
「るり可哀想だし、そろそろ違う人追いかけよー」
そう。光は...
クラスの女子、全員好きって言う噂が流れてたような...。
今考えたら、怖すぎるよね。
この頃の事はすごく記憶に残ってるけど。
この後の1年の事は覚えてないなー...。
「っしゃぁー!タッチ!」
「え、これるり捕まっちゃったけどどうなるの」
「多分だけど、光の彼女にでもなるんじゃない?」
もうほんと最悪なんだけどー!!!!!!!
って思ったけど。
「いや、俺そんな事しないよ?別に。」
「あ、意外と優しい...」
「!?!?!?!?!?!?!?」
私は見てしまった。
思わず優しいって言葉を口に出した時...。
光の顔が一気に赤くなるのを。
それと同時に周りの人が...。
「今、優しいっつったな?お前、光の事好きなんだー!」
「え、違うよ!優しいって思ったから言っただけ!」
「なーんだ。おもんなぁーっ!!」
「そーだよ!るりは他に好きな人が...あ。」
「「「「あ。」」」」
この時、私の好きな人を知ってる女子達が反応した。
「なつぅ...何で言っちゃうのぉ...。言わないって約束したじゃぁん...」
「ごっごめん!わざとじゃないんだけど...」
「なつさいてー!男子が居るの分かってるのに!」
しおりが言った。
昔からなつは強かった。
「最低!」とか「嫌い!」とかの言葉に強かった。
はずなのに...。
「ポロポロ」
なつが泣き出したのを覚えてる。
ずっと仲良くしてた幼馴染のしおりが言ったんだもん。
そりゃ泣くよね。
「うわー!しおりとるりが泣かせたーっ!」
「何で!るり悪くないもん!」
その私の言葉が友情関係の破壊の元となった。
「るりがこの話にしたのが悪いんでしょ!?」
「光に1番に追いかけられたからって...調子乗りすぎだよ!」
その時、1人の男子が先生を呼んできて。
「せんせー!女子たちが喧嘩してる!」
「えぇ!なつちゃん泣いてるじゃない。どうしたの?」
結局、話し合った結果。
女子が私の事を悪く言って、私が謝らなきゃいけない立場になった。
「るりはっ!色々バラされたのに...。何でるりが悪いの!」
私は泣きながらトイレに向かった。
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