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4話:その後の事
その場から走って逃げ出したから。
トイレの外から何人かの探してる声が聞こえた。
「るりー?ここでしょ!居るー?」
「もう...あっち行っててよ!何で来るの!」
元気な声で喋ってたから一瞬でしおりって分かった。
ごめんねって言いたいけどそんな勇気私には無い。
「あの時、うちがさいてー!って言ったからだよね。ごめん...。」
えっ...。別にしおりが謝ることじゃないのに。
謝らなきゃいけないのはこっちなのに...。
何で謝らせたんだろう。最低だよ。私って人間は。
「別にしおりは悪いって思ってないんでしょ!」
「思ってなかったらわざわざここまで来ないでしょ!?」
しおりは私のことを充分に分かってくれてる。
だからかな。さっき、しおりは私のこと嫌い!って言わなかった。
「勇気無いのは分かるよ...?でもさ、思ってることは言わないと!」
「うん...分かってるよ、でも言えない...怖い。」
「それは皆そうだよ!だからっ!はいっ!!」
えっ、何?怖い、怖い。
「うち、もっかい外行ってくるから!喋ってて!」
だ...誰と?しおり以外居ないはずじゃ...。
逆にしおり以外居たら怖いんだけど。
「え、えっと。誰...?」
「俺!いやぁ〜もとの原因は俺だよね」
「光じゃないよ!なつ...るりが悪い。」
「俺がタッチしたから。あんな話になった。ほんとごめん。」
光に謝ってほしくて泣いたんじゃない。
私のせいにされて、何もしてないのに悪いもの扱いされるのが嫌だった。
だから泣いたのに...。
「しかも泣いてるし、ごめんね」
「こんな時に悪いんだけど、ここ女子トイレだよ?」
「そっそんなのいいじゃん!俺謝りに来てんのに。」
「そっか...じゃあ出るね。」
そうして私はトイレから出て光の方を向いた。
そしたら、自然と涙が出てきて...。
「ごめん、光悪くないのに謝らせて...。」
「べっ別にるりが謝る立場じゃねーって!また泣いてるし!?」
「よしっ!るり、なつに謝ってくる!」
「おっけぇ!俺も着いてく!」
運動場に出て、なつの方へ向かう。
「なつ...わざとじゃないのにあんなに怒ってごめんね」
「るり!?目赤いよ...もしかして泣いてたの?」
「ううん、泣いてない!泣いてない!」
「嘘!泣いてたんでしょ〜w」
「だから泣いてないってぇ!」
こうやって仲良く話してる内にさっきのこと何かどうでもよく感じた。
1年生の頃は喧嘩もこうやって終わってたんだろうなぁ。
未来の私に何があるかとかも何も考えようともしなかった。
「ごめんね...るりを守んなきゃって思ってたら...」
「ううん、なつは悪くない。その人の名前言わなかったし!」
「ほんとにごめんね...許してくれる?」
「うん!仲直り!!」
指切りげんまんやって、仲直りした。
そして、私はなつの耳元で囁いた。
「るりね、新しく好きな人できちゃった!」
「!?!?!?!?!?」
私はピースをしてなつに笑顔を向けた。
でも、なつは口に手を当てて相当ビックリした顔をしてた。
「誰っ!?教えて〜!」
「さぁ?誰だろうなぁ〜?」
この会話は男子皆に聞こえてたらしくて。
「るりに好きな人!?へぇー誰?」
「教えなーい!!」
仲直りも出来て、楽しい会話が出来た。
新しい好きな人...誰だと思う?
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