副業

2/6
前へ
/14ページ
次へ
「うち、副業OKでしたっけ」 「本業に支障がなければOKだよ。私もしてる」 「そうなんですか!?」  がぜん興味がわいてきた。先輩とは気心の知れた仲だ。同じところならがんばれそう。 「週2~3日、勤務時間は2時間から応相談、時給3,000円」  私は目を丸くした。 「たっか! え、めっちゃいい条件ですけど……怪しくないですか?」  先輩、まさか犯罪に巻き込まれて……と心配したけど、本人はにこにこしている。 「そうねぇ……ちなみに、犬は好きかな?」 「好きです!」 「よかった。なら大丈夫よ」と謎の微笑み。 「加奈子ちゃんの特技が活かせる仕事だから。  一度見学にいらっしゃい。無理強いしないから大丈夫よ」  優しい口調は私の不安をかき消すには十分で、「先輩がそう言うなら」と私は答えた。  まさかあんなことになるとは、思っていなかった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加