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「これが俺の謝罪であり覚悟だよ」
その証明がよく見えるようにと、グッと腰を突き出す。
叶が愕然と見つめる箇所——つまり俺の股間には、何もなかった。
男性である証がなくなっていた。
自分で無理矢理に切断したそこは、まだ痛む。なくてはならないものがないことを教えるかのように。
でも、良いんだ。この程度の痛み、叶を失うことに比べれば無痛に等しい。
叶が視線の先を、俺の瞳へ移す。
俺は深く深く頷くと、半裸のまま頭を下げた。
「どうかもう一度隣にいさせてほしい」
どれほどの間、静寂が続いただろうか。
叶は俺にそうっと近づくと、答えを告げた——。
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