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「おい、離せ。」
「嫌だ。離したら俺を置いていくでしょ?」
真鍋はすがるような目で俺を見た。
「そんな顔しなくても大丈夫だよ。」
「ほんとに?」
「ああ。」
「でも、離したくない。」
「お前なぁ...」
結局、俺は真鍋の手を振り解けないまま、寝室へと来てしまった。
「ほら、寝ろ。」
「先生は?」
「床で寝る。」
「ダメ!一緒にって言ったでしょ?」
すると、真鍋は俺をベッドに組み敷いた。
「おい、ふざけるな!」
「ふざけてません。」
「離せって!/」
「先生が俺の隣で寝てくれたら離します。」
真鍋は俺の両腕を掴んだまま、少しずつ顔を近づけてくる。
このまま、彼のペースに流されてはいけない。
「分かった。寝る。だから離せ。」
「最初からそういえばいいのに。」
「今日だけだぞ/」
「ふふっ」
真鍋は俺を離すと、隣に寝転んだ。
「おやすみ、先生。」
「おやすみ。」
俺はとことん、コイツに弱い。
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