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2人だけの秘密
「先生、好き。」
俺は目をつぶった。
初めから我慢なんて無駄だったのだ。
毎日、毎日、愛を囁かれ、流されない方が無理だ。
俺は自分の気持ちへの言い訳を考えた。
「全部、俺のせいにしてください。」
俺の迷いを悟ったのか、真鍋が言った。
言い訳を考えている俺より、真鍋の方がずっと大人だ。
彼は覚悟を決めている。
中途半端な俺とは違う。
俺は目を閉じた。
真鍋の吐息が直ぐそこまできた。
そもそも、キスってどうやるんだっけ?
恋愛から遠ざかり過ぎている俺はそれすらも曖昧だ。
その間に、真鍋の唇が俺の唇に触れた。
だが、真鍋は一瞬で離れてしまった。
「先生、おやすみなさい。」
あれ?物足りない。
真鍋が離れていくのが寂しい。
俺、馬鹿だなぁ。
「真鍋、キスしよっか。」
「え...?」
俺は戸惑う真鍋を引き寄せ、唇をこじ開け、舌を絡めた。
「んん...///せんせい//」
「大人をナメるな。」
禁断の扉を開けてしまったら、あとは、堕ちるだけ。
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