2人だけの秘密

1/2
前へ
/22ページ
次へ

2人だけの秘密

「先生、好き。」 俺は目をつぶった。 初めから我慢なんて無駄だったのだ。 毎日、毎日、愛を囁かれ、流されない方が無理だ。 俺は自分の気持ちへの言い訳を考えた。 「全部、俺のせいにしてください。」 俺の迷いを悟ったのか、真鍋が言った。 言い訳を考えている俺より、真鍋の方がずっと大人だ。 彼は覚悟を決めている。 中途半端な俺とは違う。 俺は目を閉じた。 真鍋の吐息が直ぐそこまできた。 そもそも、キスってどうやるんだっけ? 恋愛から遠ざかり過ぎている俺はそれすらも曖昧だ。 その間に、真鍋の唇が俺の唇に触れた。 だが、真鍋は一瞬で離れてしまった。 「先生、おやすみなさい。」 あれ?物足りない。 真鍋が離れていくのが寂しい。 俺、馬鹿だなぁ。 「真鍋、キスしよっか。」 「え...?」 俺は戸惑う真鍋を引き寄せ、唇をこじ開け、舌を絡めた。 「んん...///せんせい//」 「大人をナメるな。」 禁断の扉を開けてしまったら、あとは、堕ちるだけ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加