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諫早は彼女と同い年だ。二人は中学時代同級生だった。
あたしより四つ年上で、大学で法律の勉強をしている。
もし彼女が生きていたら、今、何をしているのだろう?
諫早はあたしの先輩でもある。中学が一緒だったから。
でも、諫早は彼女とそれほど仲良くなかった。
それなのに、あたしとは仲良くなった。
普通、彼女があたしに紹介するだろう過程を、逆流してしまった。
あたしの彼氏。
そしたら彼女は彼を一瞥して、フンと鼻で笑った。
彼女はそういう人間だから、あたしも彼も気にしなかった。
彼も、彼女の笑った意味を悟ったらしい。
「小松君なら知ってるわよ。クラス一緒だったもの」
彼は彼女に知られていたから、鼻で笑われたのだ。
彼女と彼があたしの前で会話していたのはその時だけだ。
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