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重たい…。
目蓋も、身体も、とても重い。
あぁ、もうきっと朝だ。
起きなくちゃいけない。
起きて、仕事しないといけないのに。
あぁ…でも、なんて何処もかしこも重いのだろう。
布団の中で丸まって寝ている、この暖かく誘惑に満ちた世界。
動きたくないな。
じっと、このまま布団の柔らかさを味わっていたい。
そうして、また眠りに堕ちてしまった。
ふと気がつくと、ひんやりとした空気が顔を掠める。
いつの間にか、布団から顔が出ていた。
柔らかな朝日がカーテンの隙間から広がって、柔らかな影を落とす。
今日は、お天気かな。
ぼんやりと考えながら、何とか重い目蓋を開ける。
目の前には、さらりとした長い黒髪が見えた。
これは、誰だろう…。
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