充電、したい

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――最近、課長が綺麗になったと話題だ。 「前からいい男だったけど、最近は艶が増したというか……」 「男の俺でもあの色香には思わず、抱いてくれと言いそうになる」 「眼鏡を変えたからなのかしら?」 なーんて絶賛、話題の人なのだ。 三十一歳、独身。 長身で余分な脂肪は一切ついていない、引き締まった身体。 ラフにセットされているのに一切の乱れがない黒髪、切れ長で涼やかな目もとにはほくろがひとつ、と元々が社内随一の美しい男なのだ、課長は。 それに最近、眼鏡を変えた。 いままでの黒縁スクエアから、銀縁スクエアに。 同じスクエアでも銀縁の方が上品なデザインなのでその分、色気が上がるのはわかる。 がしかし、彼が最近、妙に艶っぽい理由はそれではない。 「神代(かみしろ)」 突然、伸びてきた手が私を部屋の中へ引き込む。 「充電、させろ」 気づいたときには課長から壁に押さえつけられていた。 五つ年下、しかも小柄な女性部下にこんなことをするのはもう、文字通りのパワハラでは? なんて思いながらも彼の顔を見る。
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