充電、したい

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いくら私が噛みついたところで、彼はニヤニヤ笑っていて全く堪えていない。 それがさらに、私をヒートアップさせる。 「えー、グラフィックの綺麗なソシャゲやったらすぐに充電切れるだろうが」 「営業はソシャゲか!」 「うるさい。 そんなに言うなら……本格充電するぞ」 カチリ、と課長の手がベルトにかかり、ネクタイから手を離した。 「それは無し。 無しで」 今度は私の方がホールドアップし、彼からそろっと離れる。 「そうか、残念だな。 ……充電終わったし、さっさと仕事に戻れ」 戻れって、あなたが引きずり込んだんですよね!? なんて口から出かかったが、かろうじて抑えた。 「……はい。 そうします」 握りしめた拳をぶるぶると震わせながら会議室を出る。 ――課長が最近、綺麗になった理由。 それはこうやって、頻繁に私から充電しているからなのだ。 そもそもにおいて、課長と私がこういう関係になったのは、半月ほど前の話だ。 「……疲れた。 もう充電切れる」 時刻は夜の九時を過ぎようとしていた。
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