1杯目

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***** 「ね〜レポート全然終わんないんだけど」 授業を終えて教室を出ながら紗弓の友人の茉由(まゆ)が言う。 「お願い!資料まとめるの手伝って!ケーキセット奢るから」 「ごめん、今日はこの後バイトなんだ」 「そっかー、じゃあミカを呼び出すかな」 教室を出て廊下の途中まで来たところで紗弓は立ち止まる。 「それお店でやれば?マスターも知恵をかしてくれるかもしれないし」 「え、それ楽しいかも」 茉由はレポート用紙とペンケースを抱えながらニンマリした。 「マジでそうしようかな。秀才の知恵と美味しいコーヒー、両方いただいちゃおうかな」 「おいでおいで。今日から新メニュー出すって言ってたし」 その一言に茉由は飛び上がって喜び、紗弓の提案にのることを決めた。
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