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「救急車!呼んで!はやく!」
「いやああ・・なんでぇ・・・」
「あっ、配信、カメラは」
「カメラ止めて!切って!!切れぇえ!!」
「うん、切った、スイッチ、切ったよ」
地面に縛られた紐が切れたように、身体がふわりと浮いた。
メンバーたちの喧騒を眺める視線が徐々に高い位置になっていく。
どうやら役割を終えたようだ。
カメラの配信中を知らせるランプはもう点滅していない。
ガメ、プネコ、イヌユ。
我が身の残骸の処理を皆に任せてしまって申し訳なく思う。
ハロウィンパーティ。確かにゴーストに化ける予定だったが、本物に化けることになるとは何て皮肉なんだろう。
現世への未練ゆえに魂となってもなお漂うゴースト、いや
(お化け、か・・)
俺の意識は天に向かってはらりと散っていった。
ー了ー
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