第11話 プレイヤーへ警告

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第11話 プレイヤーへ警告

「準備は良い?」 「私は浅海沙知、都立南小金井高一年です。『X』2バージョン2.010.002でプレイをしている人に警告とお願いがあり、生配信をしています。まずはこれを見て下さい」  第二章のスタート地点からの景色を映している。 「ここは第二章のスタート地点です」  画面が切り替わり人が空から落ちてくる映像を流した。 「私達はこの様に現世からゲームの世界に転送されました。ゲーム内では私達は武装してMonsterを討伐していましたが、この世界では弱者はこの様にMonsterにやられてしまいます」  落ちてきた人達が逃げ惑いMonsterにやられていく映像を流した。 「運良く生き延びた人達は恐怖に脅えて生きていました。食料はMonsterです。討伐はレベルが高いアタッカーに任せました。私は数日でしたが長い人は数ヶ月恐怖に脅えていたんです。私達を救ってくれたのが彼です」  光太郎君が帰還計画を説明している映像を流した。 「実際に帰還した時の映像がこちらです」  私は詠唱しながらwireless cameraを起動していた。 「皆さん、お分かりだと思いますが、『X』2のバージョン2.010.002に上げた人は直ぐにプレイをやめて下さい。もしくはリセットして下さい。お願いします」  生配信はここで切った。色々なコメントがあったが、最後の方は静かに終わった。 「終わったね。お疲れ様」 「お疲れ様でした」 「ありがとう。美幸と絵美ちゃんのおかげだよ」 「これからかもしれない」 「生配信を見た関係者が私に何かしてくるかもしれない。その時にはこのデータを守ってほしい」 「縁起でも無い」 「そうよ」 「映画でもあるじゃない。そう言うのって」  私達は黙ってパソコンの画面を見つめた。
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