第13話 New World開放に向けて

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第13話 New World開放に向けて

 先日の社会科見学を経て募集したパソコン教室の生徒は20名になった。計画時では1枠10名で週2回のコースだったが、人数枠を超えた為週4回にした。 「パソコン教室の生徒は現時点で20名になりました。1枠10名で週二2回の2倍になります。今後は2枠を検討しています」  あたしは本日の役員会議で報告した。  初歩〜初級のカリキュラムは『プログラミングとは』から始まり、プログラム方法、プログラミングで簡単なゲームを作る。半年の教室期間になる。 「導入費用と運用費用を引いて利益はこうなります。大した利益になりませんが、将来のプログラマー確保の為の投資と考えて下さい」 「これではメリットが薄くなりませんか?」  事業計画の臼井部長だ。 「一流のプログラマーを雇用するのは年収1,000万円くらいはかかります。それを考えるとここで育成した人を雇用した方が良いですよね」  臼井部長はそれ以上何も言わなかった。 「他に質問がある方はいますか?なければ次の議題に進んで下さい」  次の議題はフィールド1の開放日の検討だ。建設担当役員の飯島が説明を始めた。 「計画時よりスケジュールが遅れて申し訳けございません。傾いていた観覧車の撤去及びうさぎ小屋」 「うさぎハウスです」  飯島に厳しい顔で指摘したが、あまり応えていないようで何食わぬ顔で続きを話し始める。 「うさぎハウスの建設完了、乗り物の試運転も完了しています。開放スケジュールに合わせて、近隣にある店舗に商品の搬入を行います。本日は開放スケジュールを話し合いたいと思います」 「それでは案がある方は挙手をお願いします。開放スケジュールだけでなく広告案もです」  木城役員が挙手した。 「手始めに数十組を抽選で招待するのはいかがでしょうか」 「他に意見ありますか?」 「数十組を抽選でと言ってもどうやって」 事業計画の臼井部長だ。 「メディアを通じて参加者を募集します」  あたしが挙手した。 「広告料は新聞各社でピンからきりまでありますが、ざっと100万円程度で見てください。テレビで数十万です。ですから上限は100万円で見積もって下さい」 「他に案がある方はいますか?」  木城役員が挙手し補足した。 「ネットの方が割安ですので、ファッション系、ゲーム系の大手企業に掲載するのが費用を抑えて、多くの企業に掲載できます」 「他になければ、広報の今田役員。ネットでの掲載料と掲載期間を調査して明日までに報告して下さい、それを持ってあたしからオープンセレモニー及び一般開放のスケジュール案を皆さんに送ります。よろしくお願いします」  足立の合図で役員会議が終了した。  あたしは夢を連れてLaboに向かった。 「光太郎、やっとNew Worldが動き出すよ。将来的には色々な物を作る予定はだよ。光太郎も見ていて。あたし頑張るから」  あたしは夢をベッドに寝かせて、あたしもベッドに入る。 「今日は三人で寝よう」
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