第19話 未来に向かって

1/1
前へ
/69ページ
次へ

第19話 未来に向かって

 社員公開二日目が無事終わり社員もその家族も楽しんでもらえたと思う。  そして日曜日、 私はクラスメイトを誘い、全ての乗り物に乗った。楽しかった。  久しぶりにクラスメイトと遊んだ。キャーキャー言ったり、美味しいものを食べ、うさぎも堪能した。  なんと言っても良かったのが、今庄さんと美幸さんの結婚パレードだった。  美幸さんのウェディングドレス姿綺麗だった。今庄さんのタキシード姿も素敵だった。園内とその周辺の施設を周り戻ってきた今庄さんと美幸をクラッカーでお出迎え。  彼らは一瞬驚いたが、その後、今庄さんも美幸さんも泣いた。  素晴らしい休日を過ごした。  オープンセレモニーは大げさくらいに飾り付けをして一般客を出迎えた。皆んな笑顔だった。  フィールド1は好評だ。  今はフィールド2にロッジを建設している。来年にはオープンできるだろう。  明日から一般公開が始まる。  平日なのに予約が殺到していて半年先まで予約がいっぱいだ。   一般公開もオープンセレモニー同様に抽選制にし、午前、午後にわけ、それぞれ50名、25組の入場とした。  抽選から漏れた人は改めて予約を入れてもらうが、半年後の予約は25組に達した時点で予約不可に設定し直した。  地下のLaboはフィールド1へ入場する方の待合室に改装した。  光太郎と夢のベビールームを28階に移すため28階を改装中だ。現在、監視室を改装し監視室に光太郎は居る。 「光太郎、あたしは明日から2年生だよぉ。夢は数ヶ月で一歳だし。時間が経つのは早いね。あたし頑張るから光太郎も頑張って」  あたしは28階にある自宅に戻った。  会社の方針も変わって来ていて、会議はリモートで行うようになって行った。いずれは役員室をこじんまりとして、空いたスペースを有効活用する事を検討している。  4月1日。  夢を連れて監視室に行くと光太郎以外、誰もいなかった。  光太郎の生態チェックもリモートで行えるようになり、光太郎に張り付かなくても良くなった。 「光太郎、始業式に行ってくるよ。今日から学校は帰りのホームルーム迄いられるから嬉しい。会議は空き部屋を借りて学校から参加する事になったよ。伊達メガネ式モニターでいつでも光太郎の顔や夢の様子も見れるんだ。嬉しい。じゃあそろそろ行くね。学校が終わったらくるから。またねぇ。」  学校に着くと、 「おはようございます」 「南さんおはよう」 「弓ちゃんおはよう」  私は自席に着き美幸さんに挨拶をした。 「おはよう」 「おはよう」 「フィールド1に招待してくれてありがとう。楽しかったよ。今庄さんと今野さんの結婚パレード良かったね」 「うん。楽しかった。パレード良かったね。今野美希さん綺麗だったぁ。何より美幸さんや沙知さんと遊べた事が嬉しいよ」 「ありがとう」 「今日から学校は1日?」   「うん。帰りのホームルームも参加できるよ」  構内放送で体育館に集合するよう指示され春休みでの出来事を話しながら移動した。  あたしにとってはここでの行事は初めてだった。  駿河大附属高での学校生活が甦って来た。入学式は駿河大附属高で行いクラスも友達ともなれて来た頃、『X』Worldの事件が起こり、Vermont社の取締役に就任した。あれから駿河大附属高には数日登校したくらいだ。  あたしにとっての高校生活はここでこれからはじまる。   それから一年が過ぎた。 フィールド2のロッジをオープンした。フィールド1とフィールド2を行き来出来るようにした。  フィールド3の建設はこれからだがサファリパークを作ろうかと思っている。  28階はほぼあたし家族のフロアになった。取締役執務室、自宅、新Labo、ベビールーム、夢の部屋を作ってもらった。    そう、努力の甲斐があってもう一人お腹にいる。男の子らしい。光太郎似だと凛々しくなりそうで誕生が楽しみ。    もうすぐ高校生を卒業する。  進学は経済学、経営学を中心に勉強していきたいと考えている。  会社はほぼリモートワークに切り替え、ゲーム事業や建設・建築事業は本社勤務とし、いずれは支社や支店を設けて社員が無理しない様に検討して行く事になった。  我々は世界の未来を担って行く企業を目指して前に進む。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加