第11話 World Cup開戦②

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第11話 World Cup開戦②

 相手選手が審判に抗議をしているが無駄だ。再戦したところで俺とみかんの勝ちは譲れない。  審判は運営にルールの確認をしに行っている。相手選手達は俺にガンをつけているが、みかんに比べたら屁でもない。 『それにしてもこの状況でみかんは生き残っていた。やはり奴は危険人物だ。尻尾を捕まえないと』  審判が戻り俺とみかんの勝ちが決まった。そして新たなルールが追加され第五戦が始まった。  この大会はVRで戦闘フィールドに本人達が現れて戦うのだが、初期のルールでは短剣、銃(ライフル可)、弓(ボーガン可)のみ使用が許され、魔法の使用は明確になっていなかった。ルールの見直しで魔法の使用は不可となり、各選手のレベルも一律50に調整された。しかし、個々のスキルは引き継がれる。 「やりづらくなったな。みかん準備はいいか?」 「いいよぉ」 「なんだその格好は?アイドルか!」 「いいでしょ。これで狙われにくくなるわ」 「その逆だよ。そんなんで戦えるのかよ」 「う〜ん、どうかなぁ」 「それじゃ、俺が全てを倒すぞ」 「止めはあたしが刺すっていう約束でしょ」 「あ〜、わかった。だから早く着替えろ」 「いやっ!」 「もう、勝手にしろ」  俺は相手チームに集中する。 『さっきの攻撃を見て余裕でいるところを見るとこいつら強いな』 「みかん、開始の合図で乱射しろ。行くぞ」  試合開始すぐに俺は動いたが相手はスタート地点にいなかった。一人はスナイパー。  もう一人の殺気を感じ俺は避けた。 『俺と同じスキルを持っている』    Bブロック、Cブロックの第二回戦目が終わったらしい。実況がAブロックに注目し始めた。 『Aブロックは第五界戦目を始めているぅ。目視できるのはスタート地点から銃とボウガンを乱射している弓月みかん選手とスナイパーの阿久津選手の2名だけです。久米選手と港選手の姿は見えず地面を蹴る音と剣通しがぶつかる音と飛び散る火花です』 『拉致があかねぇ。スナイパーを先に倒さないと集中できない』  目の前の敵の剣をガードしながら後ろに収めている剣を抜き相手の足に打撃を与え怯んだところで、スナイパーに向かってジグザグに飛び上がった。スナイパーに馬乗りになると首を絞め気絶させてみかんの方へ投げる。 「みかん止めだ。気を抜かずにな」  奴の気配を感じられず的にならない様に走り続けた。  奴を見つけた時はみかんに近づいていた。死角を狙って近づいたのであろう。 「みかん避けろ」  奴がみかんに銃を向けた時、みかんの姿が消え、みかんが再び姿を現した時は奴の真後ろで銃を乱射していた。やつは蜂の巣になり試合は終了した。 「みかんやったな」 「うん。勝ったね。トロフィーはまだ?」 「まだBブロックとCブロックが終わっていない」 「いつまで待たせるの?」 「まだまだ先だよ。遊べるところがあるか聞いて見るから待ってろ」  決勝戦まで2時間近くありみかんを連れて建物内のサロンに連れて行った。
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