第12話 World Cup決勝戦とその後

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第12話 World Cup決勝戦とその後

 みかんをサロンに預けBブロック、Cブロックの試合を観戦している。Aブロックの最終戦で実力がある選手と交戦したんだ、Bブロック、Cブロックでも腰のあるやつはいるはずだと、そう思っていたのだが結局大した相手では無かった。  5分のインターバルで決勝戦を開始するとの事で、みかんを呼びに行くと気持ちよさそうに寝ていた。嫌がらせを受けるのも嫌なので、フィールドで寝ててもいいから来いとみかんを引きずりながら試合会場まで引っ張って行った。 『World Cup決勝戦です。Aブロックの久米選手と弓月選手、Cブロックの山崎選手と河野内選手です。試合開始の合図が流れました。』    おれは走り相手二人の首根っこを捕まえて、スタート地点で寝ているみかんの手を取り短剣で二人に止めを刺したが、HPが一瞬0になったがすぐに100に戻った。  何度やっても同じだった。  そいつらはムクっと立ち上がりみかんを捕まえようてしている。 「みかん起きろ」  ゆすぶっても起きないみかんを抱えて奴らと距離をとった。 「みかん起きろって。トロフィー貰えなくなるぞ」 「トロフィー!」 「おい聞け、奴ら不死身でもしかしたらスキルの奪取も持っているかもしれない」 「スキルの奪取ってとっちゃうやつ?」 「ああそうだ」 「それなら大丈夫よ。あたしのスキル奪ったところで使いこなせないし。試しにやってみるね」 「おい、みかん。待てって!」  みかんは瞬間移動で相手の一人の真後に立つと突然しがみついた。  相手の体が数秒間光った後、しがみつかれた相手が突然苦しみ出した。ゲームをやっている本人もだ。終いには痙攣し始めた。  相手方は驚きログアウトし逃げて行った。 「みかん戻ってこい。俺達の勝ちだ」 「だから言ったでしょ。あたしのスキル使いこなせないって」 「だからってゲームやっている本人が影響を受けるのか?」 「スキルはそう言うものでしょ」  ともあれ俺達はトロフィーを持って帰った。  そして、数日後。  姉貴からの電話で俺とみかんが駆けつけたのは川島美幸さんの自宅だ。  姉貴の話によるとゲーム中に突然姿を消したらしい。そのゲームがXX2だった。  XX2は姉貴が作ったXXの改良版らしく、誰かが作りネットに流しているとの事だ。実は俺もみかんもやっている。その事は今は内緒にしておこうと思って居る。  川島美幸さんは姉貴に少しの間、赤ちゃんをあやしていてと言いい、気がついたらいなくなっていた。   姉貴はテレビ画面に映っていたゲームの映像を見て俺に電話を掛けてきた。  夜になっても川島美幸さんが帰らず、まごまごしていた所にお袋から電話があり、今家族会議が終わった所だ。
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