第14話 New World探索①

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第14話 New World探索①

 昨日、XX2の探索では手掛かりを掴む事は出来なかった。  いつもの家族会議だ。 「今日からNew Worldを探索する。メンバーは俺と勇司で行くから弓も夢も日常に戻れ。勇司は当分登校できない事を伝えておいてくれ」  俺は勇司を連れ、弓と夢が見送る中、旧LaboからNew Worldに向かった。 「まずはフィールド4からだ」 「親父、俺は学校に行けないのか」  勇司の言葉に何とも言えない表情で答えた。  フィールド4からフィールド8までは特に障害もなく簡単に進んでいった。 「一旦戻って休憩しよう」 「ああ」  勇司に元気がないのはわかる。しかし俺一人では流石に難しい。勇司がいれば心強い。 「1時間後に出発するからそれまで休め」  俺は自室に戻り会議の内容を聞きながら、ネットで新たな情報を求めた。  美幸に関係する情報は無くXX2で犠牲になった父兄の書き込みやパーティの募集が多く見受けられる。 『早く美幸を救出してXX2の封鎖しなくては』  時間になった為、勇司とフィールド9からスタートした。  フィールド9はフィールド10の影響を受け氷点下近くまで気温が下がっている。所々凍っている為足下も注意するのだが体力がもっかどうか不安はある。こまめにsave pointを作り進んで行った。 「勇司大丈夫か?」 「大丈夫だ。それよりこのフィールドを破壊してはダメなのか?」 「それは危険だ。魔王がどこで監視をしているかわからない以上無闇に荒らせない」 「魔王が出てきたら戦えばいいじゃないか」 「勇司。この作戦の主旨はわかっているのか?」  勇司は俯き口を継ぐんだ。 「あくまで美幸を救出する為の行動だ。魔王が美幸を捉えていたら更に見つからなくなると思う。わかってくれるか?」」 「うん」  俺達は更に進んだ。 「もうすぐ城の出入り口に着く。気を抜くなよ」  城の出入り口は人が二人通れるかどうか程狭い。中に入ると更に狭く俺を先頭に勇司が後ろを歩いている。 「おい勇司。まっすぐ行った先に見えるのは足だよな」 「ああ足だ。あれはでかい」 「一発攻撃できるか?」 「やってみる」  勇司が放った(やいば)は先の敵の足に当たったがびくともしなかった。 「効かない」 「それだったら肉弾戦で行くか」  勇司が頷くと俺は走り出し敵の真下に着くとその空間だけは広く、先の通りはまた狭くなっていた。 「まあ勇司、こいつの真下を通ってあの通路に入れば問題ないんじゃないか」 「わからない。でもやってみるのもいい」  先の入り口前に着くと上から鉄格子が降りてきた。 「こいつを倒さないとダメみたいだな」  どんな攻撃をしても効かない相手に途方が暮れこいつの真下に座り込んだ。 「親父、いい考えがある。こいつのスキルを奪えば糸口が掴めるかもしれない」 「どうやって?」 「俺に任せろ」  勇司はそう言ってこいつの頭によじ登って行った。こいつの頭に手を当てている。 「弱点がわかった。尻尾だ」 「尻尾?どうやって尻尾に攻撃するんだ?」  勇司はこいつの頭から降りてこいつの尻尾の真下で俺を呼んだ。 「尻尾の根元をひたすら切ってみよう」 「ああ、いいが効かないんじゃないか」  俺達はひたすら尻尾の根元に攻撃をしていくうちに、こいつのHPが0になった。そして反対側の鉄格子が開いた。先に進んでいくと向こう側に蠢く何かが見える。 「なあ、ここ一階だよな」 「確かに一階だ」 「はぁ」  俺はため息を着いた  しんどい。 「親父諦めるな。これからだろう」 「お前に言われるとはな」  勇司の攻撃に合わせてファイヤーボールを連発した。蠢く何かがいる所は炎に包まれ炎が治ると何かは黒く変色していて動く気配がない。近くに行くと何かは巨大ムカデだった。巨大ムカデは黒焦げになっていて反対側の通りは開けていた。  通りの先には中くらいの空間があり真ん中が光っていた。空間の真ん中に光っている円形がある。これはワープだ。  俺達は一緒に円形に入ると転送された。
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