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第15話 New World探索②
「ここが二階か」
「みたいだな」
「先に進もう」
俺はもう帰りたかった。こんな苦難を乗り越えてまでやるべきかと思っていると
「勇司、あれってうさぎか?」
「ああ、そうみたいだな」
「攻撃して見てくれ」
親父にこき使われている様で嫌気がさす。
剣を振いうさぎを攻撃した。うさぎ共は一瞬で消え去ったと思ったら、再び床から湧いてきた。何度やっても同じだ。
「透明化と壁に登れるスキルを使おう」
「ファイヤーボールで丸こげにすれば良いじゃないか」
「それはダメだ。ママが好きな動物だからダメだ」
「そうか…」
俺は頷いた。心に留めておかなくては。
更に進むと今度は猫だった。親父は躊躇わずファイヤーボールで攻撃した。猫は炭の様になりチリとなって行った。
「おい。猫は良いのかよ!」
「あまり考えてはいないがうさぎでなければ良いと思う」
「動物保護団体からクレームがくるぞ」
「あれは魔獣だ。猫の形をしている魔物だ」
「ふんっ。勝手にしろ」
次は犬でその次はキリン、ゾウ、ライオン等色々な動物に似せた魔獣が現れ、逃げたり攻撃を繰り返し、二階の最奥に到着した。
俺達はワープし三階に上がると辺りは湯気が立ち込めていて床は真っ赤になっている。
「これってマグマ?」
「ああ」
魔王の悪戯だ。
「さっさと上に上がろうぜ」
「ああわかっている。壁伝いに進もう」
三階はマグマの様な床が続いているだけだった。そして四階はトラップが仕掛けられていたが何とかクリアし、フィールド10にたどり着いた。
フィールド10は吹雪が吹いていて地面がほぼ凍っている。
「親父悪いな」
嫌気がさいていた俺は剣を振り炎を吹き出した。一部が溶けた場所には草が生えていないただの地面だった。
「こんな寒い所では草木は生えないか」
「そうでもないぞ。寒冷地でも生える植物はある」
「興味はない。先に行くぞ」
俺は親父を置いて走った。親父はすぐ後ろを走ってきた。
「この辺だ」
「何?」
「この辺りで俺は閉じ込められていた」
親父と俺は雪を掻き分け異変がないか探した。
「あった。この光っている所だろう」
「勇司よくやった。二人がかりで押してみよう」
光っているところをひたすら押し続けると、光が消え黒くなった。
俺達は黒いものに吸い込まれて行った。
目が覚めると辺りが凍っている洞窟の様だった。とりあえず歩いてみることにした。
ひたすら歩くと氷の中に閉じ込められている人達が、俺達に気づきもがいている。
親父は走り出しその人達の所に行くと叫んだ。
「美幸!」
『やっと見つけたか。これで長旅も終わりだな』
俺は3人の顔を順に追っていくと知っている人物がいた。
「みかん」
俺もみかんが入っている氷の壁の所に行き、壁を叩くがびくともしない。
何時間も叩いたり攻撃したがびくともせず誰かが言った言葉で扉が開いた。
「沙知さん?」
「はい。光太郎久しぶり」
「どうして貴方達が?」
美幸と言うおばさんと沙知と言うおばさんはお互いに顔を合わせて、みかんを指差した。
「「この子が私達を閉じ込めたのよ」」
「え〜、あたし知らないですぅ〜」
二人はみかんを睨み、みかんは俺の後ろに隠れて、俺も親父もあたふたしているだけだった。結局、自宅に戻ってから話を聞く事にした。
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