12人が本棚に入れています
本棚に追加
第19話 人間界崩壊へ
『魔王カルデラ様』
『そろそろだな。弓月みかんよ。親の仇を打て』
『はい。仰せのままに』
あたしは一人渋谷の街を歩いた。人がいっぱいいる。蟻の様だ。捻り潰すのは簡単だが今は我慢。
電車を乗り継ぎ銀座へ。
Vermont社の28階建てのビルを見上げた。何故か清々しい思いだ。これからの事を考えると心が軽い。
あたしは電車を乗り継ぎ赤坂へ向かった。
目の前に日英テレビ局のビルが聳えている。そのビルを背にし歩き出した。
あたしは内にある力を爆発させた。
体全体を包む様に黒いモヤが現れ蠢いている。目を閉じ頭の中で想像する。
振動?いや電磁波の様なものが赤坂を崩壊させる。
あたしは目を見開き「はぁっー」と叫ぶと、電磁波の様なものが体から出てビルを破壊し車が吹き飛ぶ。
人は…
蚊を叩き潰した様に血飛沫が飛び散りいなくなる。
もっともっと強く念じて出力する。目の前の障害物は一瞬で消えクレーターの様になった。
「破壊するだけじゃ面白くないわ」
あたしは更に歩いて行くと人々は怯えて逃げて行く。中には歯向かうものもいた。
「あたしに敵うわけないじゃない」
目に力を入れると目が熱くなった。お店のガラス越しにあたしの顔を見ると目が赤く光っている。
歯向かうやつを捕まえ目を見つめると、そいつの目が虚になり暫くすると彼らの目が赤く光り出した。
そいつは「ギギギ」と発し、皮膚が黒くざらつき1.5倍くらいの大きさになり、手足の爪が鋭くなると羽が生え尻尾が生えた。
魔族になった。
「これよ。これだわ」
あたしはやつに人を食らう様指示をした。噛まれた人間もやつと同じ姿になって行った。
「きゃははは。面白い。面白いわ」
ついに自衛隊まで現れた。銃やライフルであたしに攻撃して来たが、軌道が曲がるか跳ね返った。
あたしは指示する。奴らを喰らえと。
辺りは魔族で埋め尽くされた。テレビ局のヘリコプターが飛んでいるが蝿のようで、うるさい。
叩き潰すくらいなら簡単だがそれではつまらない。
「そうだ。奴らも食らいなさい」
あたしの部下はヘリコプターのパイロットに噛みつき魔族のものになった。ヘリコプターはあたしの上空でホバリングをしている。
「あたしの活躍を全世界に知らしめないと」
あたしはテレビ局に入り放映した。
あたしは野太い声で全界に宣言した。
『我はカルデラ。魔王カルデラである。これよりこの世界を支配する』
そしてあたしの声になり歌った。テレビ越しでもあたしの声を聞き、目を見たものは魔族へとなって行った。
その後、戦闘機が現れミサイルを撃って行ったがあたしには効かない。
「まったく建物を壊して」
襲ってくる戦闘機に手の平を向け電磁波の様なものを発すると戦闘機は木っ端微塵になった。
World2フィールド10
『勇司、聞こえるか』
「どうした」
『みかんちゃんが街中で暴れている』
「どこだよ」
『赤坂だ。座標を送るからすぐに来てくれ』
「先程の地震と関係あるのか」
『来ればわかるさ』
「みかんはそこにいるのか」
『いやどこかに向かって歩いている』
「わかった」
お袋が言っていた。みかんの両親を追い詰めたと。俺はVermont社の28階建てのビルを見上げた。
最初のコメントを投稿しよう!