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大きな目を、更に大きく見開いて、樹季は僕の顔をまじまじと見る。
「あの白いドレスのママは、魔法なんだ……」
小さい声で樹季がつぶやく。
リビングボードの上に飾っている結婚式の時の写真を、樹季は思い出しているようだった。
「ほら、もう樹季も寝よう。
眠るまで、今日はパパがついてるから」
また、毛布を掛け直し、トントンと樹季の身体を優しくさすると、次第に眠りに落ちて、かわいい寝息をたてはじめた。
僕はホッとしながら、そっと部屋を出る。
「樹季くんも乃愛ちゃんも寝た?
ありがとう、大樹」
ダイニングテーブルで、ノートパソコンに向かっていた僕のシンデレラ、妻の愛美が、顔を上げる。
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