番外編-2 シンデレラの魔法使い

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 大きな目を、更に大きく見開いて、樹季(いつき)は僕の顔をまじまじと見る。 「あの白いドレスのママは、魔法なんだ……」  小さい声で樹季がつぶやく。    リビングボードの上に飾っている結婚式の時の写真を、樹季は思い出しているようだった。 「ほら、もう樹季も寝よう。  眠るまで、今日はパパがついてるから」  また、毛布を掛け直し、トントンと樹季の身体を優しくさすると、次第に眠りに落ちて、かわいい寝息をたてはじめた。  僕はホッとしながら、そっと部屋を出る。 「樹季くんも乃愛(のあ)ちゃんも寝た?  ありがとう、大樹(だいき)」  ダイニングテーブルで、ノートパソコンに向かっていた僕のシンデレラ、妻の愛美(あいみ)が、顔を上げる。
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