ネクタイのお礼は夜明けのコーヒー

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ううっ、そんな、期待を込めたキラキラした目で見ないでほしい。 「い、い、……夜城、さん」 「……はぁーっ」 課長の口から大きなため息が落ちて、泣きそうになった。 「ま、いいか。 いつもは名字呼びなのに、ベッドの中だけ名前呼びとか、それはそれで……萌える」 「へ?」 なんだかよくわからないが、課長が嬉しいのならいいか。 「それにしても」 ツン、と課長がシャツを引っ張る。 「可愛いね、それ」 可愛いとは、なにが? と首を傾げたところで、いまは課長のシャツ一枚だったことを思いだした。 「えっ、あの」 あっという間に全身が熱くなる。 いまさらながら、裾を引っ張った。 「あのさ。 ……今日、そのまま出社しない?」 「へ?」 眼鏡の奥でキラン、といたずらっぽく目が光った。 ……で。 私は今日、夜城課長のシャツを着て仕事をしている。 いや、まさか、シャツ一枚で出社しろと? それはもうセクハラで殴っていいよね!? ……と、拳を強く握りしめた、が。
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